2012年05月03日

京舞妓十二月

日本画家で、時代風俗研究でも知られる吉川観方編著の本です。タイトル通り、京舞妓12ヶ月の装いを一月ずつ写真に収めて紹介しています。

「年齢や四季月々、又特別な物日の間の結髪、頭飾、衣服着装当の変化相異に重点を置いて集めてみた」という序文に違わず、一月ごとの舞妓の写真は年少舞妓と年長舞妓の両方が掲載され、その衣装や髪型の違いがわかるようになっています。

普通の舞妓写真集とは違い、衣装や髪型を見せることが目的の本なので、掲載されている写真も、全身、後ろ姿、バストアップと様々な角度から撮られています。全編モノクロ写真なのが残念ですが、当時の京舞妓の装いを知る上ではとてもよい資料といえるのでないでしょうか。

本書が刊行されたのは昭和31年ですが、序文によると昭和8〜9年ころから撮影したとあるので、掲載されている舞妓さんの写真はほとんどが戦前の物と思われます。今の舞妓さんとは年齢が違いますし、お化粧や着物、髪型やかんざしの雰囲気も随分違います。

一部刊行年の昭和31年の舞妓さんの写真も載っていますが、こちらは比較的今の舞妓さんに近い印象です。

今の舞妓さんの写真集と見比べてみると、いろいろ興味深いと思います。昔の舞妓さんの装いに興味のある方にはぜひとも見ることをお薦めしたい本です。


それにしてもモノクロなのが本当に惜しい‥。フルカラーで見てみたかった。


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※購入は古書店のみ。図書館にしても、置いている所は少ないかもしれません。
 吉川観方 編
 黒山博史 写真
 京都文化資料研究会 発行
 発行年:1956年

※ 舞妓さんの写真集ではあるのですが、内容から服飾文化の本に分類しました。

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2012年04月06日

幕末維新・明治・大正 美人帖

こちらで紹介した「幕末・明治美人帖」の第二弾です。

前作同様、大名家・皇族の女性から一般女性まで、時代を生きた様々な女性の写真が集められています。タイトルに「大正」と加わっているとおり少し時代が下って、掲載写真や取り上げられている女性たちも一新。芸妓に加え「女優」という新しい時代の女性たちも登場しています。前作になかった写真としては、遊廓の写真も印象的です。

時代の変化に伴い写真に対する意識も変わったようで、写っている女性たちの姿や表情も前作とは随分変わっているように感じます。また東西芸妓の美の競演は、本書の「明治・大正のグラビアアイドル」のタイトルそのままに、資料としてだけでなく純粋に「美人の写真」として楽しめるものです。

前作に引き続き、本書も非常に見応えのある内容です。手元に置くなら、ぜひとも前作と合わせた二冊セットで持っていたいですね。



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2012年04月02日

幕末・明治美人帖

タイトル通り、幕末から明治期に撮影された女性の古写真集です。

大名家や皇族の女性、明治の元勲の妻妾、深窓の令嬢に売れっ子芸妓、日本の風俗習慣をテーマに撮られた外国人向けのお土産写真に写る一般庶民の女性などなど、時代を生きた様々な女性の写真が集められています。

伝統的な日本髪に着物という姿はもちろん、鹿鳴館スタイルをはじめとする洋装、立場や時代によっても変化があり、当時の風俗とその変遷を知る上でも非常におもしろいです。

さてこの本のメイン企画のひとつ、明治に行われた日本初の「深窓令嬢美人コンクール」写真。全国一等になった末弘ヒロ子嬢が学習院を退学処分になったことで知られていますが、他の応募者の写真はあまり紹介されることがありません。ここでは全国一等から十二等をはじめ、北海道から九州まで全国各地区の第一次通過者写真も見ることが出来ます。

写真慣れしていないことや当時の価値観などもあって、ほとんどの方が固い表情で写っているのが残念ですが、それでも現代の価値観で見て十分美しい感じられる方が多数です。人が美しいと感じる顔の基準は、多少時代によって違うと言っても根本的には余り変わらないのではないかと思います。


本書ですが、大判ハードカバーの愛蔵版の他、簡易な文庫版も出ています。内容は同じですが、「写真集」として楽しむならサイズ的にも大判の方がいいかもしれないですね。

本書のシリーズ第二弾はこちら「幕末維新・明治・大正 美人帖



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2010年01月19日

中国56民族手帖

中国に住む56民族の女性の衣装を紹介した本です。表紙に見えるように、すべてイラストで紹介されています。

まず56もの異なる民族が暮らしていることにびっくりしました。中国には少数民族を含め、たくさんの民族が暮らしていることは知っていましたが、数字を見ると改めて驚きです。

また国が大きいので、近接する国も気候風土も多様。北方に住む民族と南方に住む民族では衣装の雰囲気が全く違いますし、西方に住む民族の衣装にはどこかヨーロッパの雰囲気を感じます。

衣装だけでなく、食文化や住居、生活習慣なども簡単に紹介されていて、この+αの情報も楽しいです。

全編イラストなので、実際にはどんな感じなのかとか、布の素材や質感はどうなんだろうとか、髪を結い上げた民族の場合はどんな髪型なんだろうとか、いろいろ興味はつきません。顔立ちなんかも民族によっては結構違うはずなので、写真も見たかったなあと言うのが正直なところです。でも、各民族衣装をいろいろと見比べるのはとにかく楽しいです。リアルなイラストではないのですが、衣装ごとの特徴はわかりやすいですしね。(写真は、より専門的な民族学の本をさがすといいのかもしれません。)

各民族とも衣装に1ページ・紹介文に1ページと2ページ完結。かわいらしいイラストに、文章もライトで、気軽に手に取れる作りになっています。絵本のように楽しんでもいいですし、中国の様々な民族について知るきっかけとしてもおもしろい本だと思います。



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以下余談ですが‥
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2010年01月05日

つまみかんざし三代―世の変遷を生き抜いて……

東京で、三代に渡ってつまみかんざし職人としてかんざしを作り続けている石田さん親子による著書。つまみかんざし職人の昭和史と活動の記録、そして美しい作品の数々が写真で紹介されています。

それぞれの季節を表現した美しいかんざしや櫛は、やっぱり見ていて幸せな気持ちになりますね。色遣いもデザインもよく見る舞妓さんの花かんざしとは趣が異なり、それらを見慣れた方には新鮮なのではないでしょうか。

時代と共に変わっていく職人の置かれた状況と、一方で変わらぬ仕事に対する心意気、時代の変化に対して精力的に活動されている様子がこの本から伝わってきます。文化を支える裏方である職人さんの目線から見ると、また違った角度から日本の文化や歴史が見えてくるような気がします。「つまみかんざし」を通して、日本の職人文化の一端を知ることのできる一冊ともいえそうです。


※一般書店での購入は難しそうです。古書店か図書館で。
 文 :石田健次 石田毅司
 写真:秋山庄太郎
 発行:下町タイムス社
 発行年:1991年
 サイズ:15p×22p
 本文:170ページ
 価格:\2,300

※つまみかんざし博物館では実際に作品を見ることができます。
 公式サイトへ 展示会や教室開催の情報なども注目です
 



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