2009年12月05日

京のオバケ―四季の暮しとまじないの文化

オバケはオバケでも、妖怪魔物のたぐいではありません。2月3日節分に、普段とは違う姿に仮装し厄をはらう行事のことです。まあ京都なら、妖怪魔物のほうでも本ができそうなイメージはありますが(^^ゞ

京都はお祭りなど、年中行事がとても多いところですが、この本で紹介されているのはそんな中でも、地元の人々の生活に根ざした行事。地元の人が災厄を払い、福を願うためのお祭りや行事が紹介されています。

大きく二部に分かれていて、前半は様々な神社やお寺で行われるお祭りや行事。後半はタイトルにある「オバケ」について。筆者の体験も交えて書かれた文章はとても読みやすく、京都の四季の風景も伝わってきて、実際にお祭りへ行ってみたくなります。ガイドブック的にも楽しめるのではないでしょうか。(個人的には「オバケ」の章より、いろいろなお祭りが紹介されている第一部のほうが、実は好きだったりします)

「オバケ」と言えば、今は花街の行事というイメージがありますが、本来は町方でも行われ(本書によると高度経済成長期頃まで)、多くの人が節分の「オバケ」を楽しんでいたようです。町方で行われてきた「オバケ」、花街の「オバケ」、そして今いろいろな「サロン」で行われている「オバケ」、いろいろな形の「オバケ」の様子をこの本から知ることができます。

自分の社会的な属性による服装の決まりが、今よりもずっとうるさかった時代、年齢も性別も超えた「仮装」をすることは、今以上に「非日常」的な行為だったと思います。普段とは違う格好になって、鬼をだまし、厄を避ける「オバケ」は、日常を離れ、気持ちをリセットし、また新たな気持ちで日常に戻る、という行為でもあったようです。

筆者も文中でふれている通り、これって舞妓変身リピータの方には、とても理解しやすい感覚なのではないでしょうか?



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posted by ぷにすけ | TrackBack(1) | その他京都関係